運動神経より、まずは経験貯金。36の基本動作を家遊びで取り入れるコツ
子どもには体を動かして遊んでほしい。
でも毎日公園に行けるわけじゃないし、家遊びはいつも同じになりがち。
「運動が足りていないんじゃないか」
「もしかして体操教室に通わせたほうがいいのかな」
と、なんとなく気になっているママは多いと思います。
わたし自身も、子どもが小さいころそんなことをよく考えていました。
そんなとき知ったのが、文部科学省の資料に出てくる
「幼少期に経験したい36の基本動作」
という考え方です。
最初は「36個もあるの?うちの子、できてるかな」と身構えたのですが、
読み進めると少し安心したんです。
これは練習リストでも、チェックリストでもない。
「遊びの中でこんな動きを経験しておくといいよ」という視点だったんです。
この記事では、36の基本動作を”経験貯金”として捉える考え方と、
家遊びの中で体の使い方を少しずつ増やすコツをお伝えします。
- 36の基本動作を”経験貯金”として見る考え方
- 家遊びの中で体の使い方を増やすコツ
- 忙しい日でも無理なく取り入れる考え方
36の基本動作は「できた・できない」ではなく経験貯金
先にお伝えすると、36の基本動作は全部できるように練習するものではありません。
「うちの子、まだこれができていない」と不足を探すのではなく、
「最近こういう動き、していないかも」と気づくための視点として使うのがいちばんしっくりきます。
体の使い方には、バランスをとる動き、移動する動き、道具を操作する動きなど、
いろんな種類があります。
日常の遊びの中でそれを少しずつ経験していく。
できた・できないで見なくて大丈夫。
大事なのは、いろんな動きを体が少しずつ知っていくことです。
これを”経験貯金“と呼んでいます。
毎日少しずつ、体の引き出しを増やしていくイメージです。
36の基本動作とは?幼児期に経験したい体の使い方
文部科学省の資料では、幼児期に経験しておきたい36の基本動作が、
大きく3つのグループに分けられています。

① 体のバランスをとる動き
立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がる など
② 体を移動する動き
歩く、走る、跳ぶ、くぐる、登る、下りる など
③ 用具などを操作する動き
持つ、運ぶ、投げる、捕る、蹴る、押す、引く など
どれも「特別なスポーツの動き」ではありませんよね。
走る、転がる、投げる、くぐる。
子どもたちが遊びの中で自然とやっていること、そのものです。
「運動神経を鍛える」というより、「体にいろんな動きを経験させる」という感覚です。
経験貯金として見ると、家遊びの見方が変わる
いつもの家遊びを振り返ってみると、実はたくさんの動きが入っています。

| 遊び | 入っている動き |
|---|---|
| 布団でごろごろ | 転がる・寝ころぶ・起きる |
| だるまさんがころんだ | 走る・止まる・立つ |
| 風船遊び | 投げる・捕る・よける |
| おままごと | 持つ・運ぶ・座る |
| お片づけ | 持つ・運ぶ・積む |
「特別な運動」ではなく、いつもの遊びの中にすでに体の使い方が詰まっています。
そう気づくと、毎日の家遊びが少し違って見えてきます。
新しいおもちゃを買わなくても大丈夫。
いつもの遊びに”動き”を少し足すだけで、経験貯金は積み上がっていきます。
家でできる”経験貯金”の増やし方
特別な道具がなくても、今日からできることはたくさんあります。

- 布団でごろごろ転がる(転がる・体幹を使う)
- 椅子やテーブルの下をくぐる(くぐる・体を小さくコントロールする)
- タオルを床に置いて一本橋にする(バランスをとりながら歩く)
- 靴下を丸めてボール投げをする(投げる・狙う)
- 風船を落とさないように打ち合う(捕る・よける・反応する)
- ぬいぐるみを抱えて運ぶ(持つ・運ぶ)
- クッションを積んで崩す(積む・タイミングをはかる)
どれも「これなら今日できそう」というものばかりではないでしょうか。
完璧にやらなくていいし、全部やる必要もありません。
気が向いたときに、ひとつ足してみるだけで十分です。
忙しい日でもできる、経験貯金の考え方
毎日完璧に遊び込まなくて大丈夫です。
3分だけでも、ひとつだけでもいい。
公園に行けない日があっても、雨の日や暑い日は室内で少し動けばいい。
親が疲れているときは、子どもの遊びを見守るだけでも立派なサポートです。
「今日はくぐった」
「今日はボールを投げた」
「今日は転がった」
それだけで、経験貯金はひとつ積み上がっています。
いつもの遊びに、1つだけ違う動きを足してみる。
それくらいの気持ちで取り入れられれば、親子にとって無理なく続けられる形になります。
36の基本動作を取り入れるときの注意点
気をつけたいことも、いくつかお伝えします。
できないことを責めない
子どもの体の使い方や発達には、個人差があります。
「なんでできないの」ではなく、「今日はこれをやってみた」というスタンスで。
環境を整えてから動かす
くぐる・転がるといった動きは、家具の角や床の硬さに注意を。
クッションを敷いたり、周囲を片付けてから遊ぶと安心です。
気になることは専門家に相談を
「不器用さが気になる」「体の使い方に心配がある」という場合は、
自治体の子育て相談窓口や専門機関に相談してみてください。
遊びで解決しようとしすぎなくて大丈夫です。
まとめ:運動神経より、まずは遊びの中の経験貯金
36の基本動作は、全部を完璧にできるようにするものではありません。

「今日はくぐった」
「今日は転がった」
「今日はボールを投げた」
そんな小さな体の経験を、遊びの中で少しずつためていくもの。
運動神経より、まずは経験貯金。
今日の家遊びに、ひとつだけ”いつもと違う動き”を足してみる。
それくらいの気持ちで取り入れられれば十分です。
特別なことを始めなくても、子どもの体の引き出しは少しずつ増えています。
今日のごろごろも、くぐり遊びも、ちゃんと積み上がっていますよ。
